―――――幻浄三蔵、出立。
その話は僅かな間にかなり広まったらしく、朝早い時間帯にも関わらずかなりの見送りがあった。
幻浄を慕っていた者、敵視していた者、彼女に対して抱く感情も立場も様々な者達が、大慈恩寺の前に集まっていた。
「これで、しばらく会えぬようになるな」
「えぇ」
「次に会えるのは、どれほど後になることか」
「十数年の後になりましょう」
静かに言いつつ、幻浄は門扉を押し開く。
途端、待ちくたびれたような青年の声が飛んできた。
「よーやくお出ましか、三蔵殿」
「天覚、失礼ですよ」
彼の横にいた青年の言葉で、幻浄は彼の名を知った。さらにその横にいる少年はどちらかの青年の弟だろうか。その割には似ていない。
「・・・・・・お前たちは」
問うと、明るく確かな答えが返ってきた。
「孫天覚」
「秋醒清と申します」
「猪明律や。よろしゅうな!」
「・・・・・・何故よろしくせねばならん」
眉根を寄せて呟いた幻浄を見て玄奘は軽く笑い、見送りの人々の中で異彩を放っている三人を指し、幻浄に言った。
「彼らが、お前の旅に同行する」
「・・・・・・はい?」
間抜けな声とともに口元を引きつらせ、幻浄は師を振り返った。
「師父・・・・・・彼らは、妖怪では?」
「ああ、そうだ」
さらりと肯定され、幻浄はそれ以上の言葉を出せなかった。
「・・・・・・しかも、男です」
「女には見えんな」
ようやく出てきた言葉もそんな風に軽く返されてしまい、幻浄は痛み出した頭に手を当てた。
女の一人旅が危険だと言う事は重々承知だが、だからと言って男を―――それも妖怪を―――同行させなくともいいではないか。 女にだって屈強な者はいるはずだ。
一人で行くなら命が危険だが、男三人に同行されるなら貞操が危ない。
特に孫天覚という男。彼は確か、長安において悪名高き無頼漢ではなかったか。酒と女と喧嘩を何より好む、という。
何より、同行者となれば長旅の間をずっと接し続けねばならないのだ。人嫌いにとっては悪夢としか言いようがない。
そんなことをぐるぐると考えていた幻浄は、耳に飛び込んできた天覚の台詞に思考を停止させた。

「おいおい、何だよ。のくせに俺らが怖ぇってのか?」

・・・・・・今、彼は何と言っただろう。
幻浄共々、周囲にいた者たちは固まった。
『男』?
「天覚・・・・・・?・・・・・・―――この方は、どう見ても女性だと思うのですが」
「おいらもそう思うで・・・?」
恐る恐る口を開いた二人の言葉に、天覚は愕然としたように幻浄を見た。
その顔にははっきりと「嘘だろ」と書いてある。
そして彼は上から下まで不躾なほどに幻浄を眺め回し、口元を引きつらせながら訊いてきた。
「・・・・・・マジで、あんた女?」
あぁ、と言う以外、幻浄にどんな答えができただろう。
他にもっと何か言えば良かったのだが、頭がうまく機能していない今の幻浄に、それは無理な相談だった。
幻浄の答えを聞いてもまだ疑っていたのか、「にしちゃ、女の匂いがしねぇんだけどなー・・・」などと呟いていた天覚は、自らの手で しっかりと確かめるべく行動に出た。
すなわち、幻浄の股間を掴んだのだ。
「あぁ、マジで女だわ」
男にあるべきものの感触がそこにないのを確かめて、ようやく納得したように天覚は呟いた。
「世の中まだまだ不思議でいっぱいだな」
「あぁそうだな、私にはお前が何を考えているのか不思議でならん」
ふいに至近距離から聞こえてきた声に、天覚はばっと顔を上げた。
そこには、般若の如き形相をした幻浄が佇んでいた。
目尻には僅かに涙が浮かんでいたが、それすら気にならないほどの圧倒的な恐怖があった。
「あは、ははははは・・・・・・」
あまりの恐ろしさに引きつり笑いで誤魔化そうとしても、もう遅い。
幻浄は逃げられないよう天覚の両肩を掴み、静かな怒りに燃える眼差しを彼に送った。
「女の敵め、思い知れ」
「―――――――――――――――ッ!!」
幻浄の膝が天覚の大事なところにめり込んだ。
肩を掴まれていたため避ける事も叶わず、彼は幻浄の金的蹴りをもろに食らってしまったのである。
声なき声を上げて男にしか分からない痛みに呻く天覚に、幻浄は吐き捨てた。
「全く、貴様は何ということをしてくれたんだ!」
あなたもあなたで凄いことしてますよ三蔵様、とその場にいた誰もが考えたが、あまりの事に皆何も言えない。
「てめぇ・・・・・・ァんだよそのキレのいい蹴りはよぉ・・・・・・」
「師父に教わった」
全ての男に対抗しうる手段だと言われてな、と怒気を孕(はら)んだ静かな声で言う幻浄をよそに、周囲の視線は一斉に玄奘へと向けられた。
その視線の意味するところはつまり、「何てことを教えてるんだアンタ」である。
ちくちく刺さる何対もの視線を受けていたたまれなくなった玄奘は、とりあえず幻浄の肩を叩いた。
「もうやめなさい幻浄。彼の生命に関わる」
そう、男としての生命に。
暗にそう言われ、幻浄は第二弾を放とうと上げていた足を下ろした。
この辺りが猛獣と猛獣使いなのだが、やはり本人たちは気付いていない。
「今後このようなことが起きぬよう、これを彼の頭に嵌(は)めるがよい」
そう言って玄奘が懐から取り出した金の輪を横目で見て、天覚は「げっ」と唸った。
「これは?」
「緊箍(きんこ)という。かつて、この者の祖父たる孫悟空に嵌めさせておったのと同じものだ」
となると、あの『呪文を唱えると頭を締め付ける輪』というのがこれなのだろう。確かに聞いた覚えがあった。
「ちなみに呪文はいらぬ。おぬしの意志があればよい」
「ちょっと待てジジイ」
ゆっくりと立ち上がりつつ天覚は玄奘の言葉を遮った。
尊崇の対象たる玄奘をジジイ呼ばわりされて周囲は色めきたったが、当人達は一向に気にした様子はない。
「どうかしたか?天覚」
「呪文がいらねぇ、ってのはどういうこった?じっちゃんの時は何か唱えてたって話じゃねぇか」
「確かにな。だがおぬしは普段の行動が行動だけに、もっと強力な呪いが必要だろうということになってな、改造したのだよ。 幻浄の意志のみで使えるよう、幻浄が死んでも外れぬよう。そう、悟空がな。
祖父が一枚噛んでいると知って天覚は蒼白になり、次いで赤くなって拳を震わせた。
「あンのクソジジイ・・・・・・ぶっ殺す!」
「ちょ、待ってくださいよ天覚!」
いきり立って勢いよく踵を返した天覚を止めようと醒清は腕を伸ばしたが、彼を引き止める決定的な要因となったのは玄奘の不敵な一言だった。

「ほう。おぬし、逃げるのか」

その効果は絶大で、『逃げる』という単語に反応した天覚は足を止めて肩越しに玄奘を睨みつけた。
「逃・げ・る・だぁ?てめぇ、誰に向かって言ってんだ」
「おぬしだ、天覚」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
これ以上ないというほど天覚は激昂したが、先程自分の男性生命を絶ちかけた尼僧が玄奘の背後に控えているのに気付き、 歯を食いしばって感情を抑制した。
昨日受けた説明によれば、彼女は玄奘の弟子にあたるらしい。その態度からは彼女が玄奘を畏敬しているらしいことがありありと伺えたし、 彼女の手強さは先程思い知ったばかりだ。
彼女の目の前で、彼女の師匠に手出ししたらどうなるか。―――――まず間違いなく、先程の悪夢が蘇る。
(くっ・・・・・・!耐えろ、耐えるんだ俺!こんな事で去勢されてたまるか!)
玄奘に殴りかかりたい気持ちを必死に抑え、天覚は覚悟を決めた。
どすんっ!と乱暴な所作でその場に胡坐(あぐら)をかき、「やるならやれ」と言わんばかりの態度で腕を組んだ。
それを見て玄奘は軽く眉を上げ、至極楽しげに喉の奥で笑った。
「幻浄よ、どうやら許可が下りたようだぞ」
玄奘は愛弟子の背をぽんと叩き、緊箍をつけるよう顎で促した。
いよいよ実行となるとさすがに嫌なのか、天覚は一瞬不安げに眉根を寄せたが、それでもその場を動きはしなかった。
幻浄は深呼吸し、天覚の前に進み出る。
彼の頭上に緊箍を掲げ、幻浄は恭しく一礼した。まるで王冠を授けるかのように。
もともと美貌の人である幻浄がそれをすると、その行為はさながら戴冠式のような神聖さを持って見えた。
儀式場特有の静謐さが支配する中、天覚の頭に緊箍が嵌められる。
諦めにも似た虚脱感が天覚の胸中を掠めた。―――――この瞬間から自分は、幻浄に仕える者となったのだ。
以前のような自由はあり得ないものとなった。
しかし幻浄はそんな事などまるで念頭にないかのように、儀式めいた仕草で再び一礼した。
「どんな気分です?天覚」
それまで黙って『儀式』を見ていた醒清が、興味深げに問うてきた。
「あぁ?サイテーだな。首輪付けられた犬の気分だ」
不機嫌そうな口調で答えつつ、天覚は立ち上がる。
試しに緊箍に触れてみたが、やはりそれはびくともしない。まるで皮膚に張り付いてしまったかのようだった。
「やれやれ」
何故か幻浄のほうがそう呟いた。衆人環視の中に立っていたのがよほど不快だったのだろう、深々とため息をついた。
「よぉ似合うとるで?それ」
からかうように明律がにやりと笑う。
天覚が何か言おうと口を開いたその時、聞き覚えのない声が背後から飛んできた。
「そうですね、実によく似合っておられる。ふむ、玄奘殿も愉快な事をお考えになったものです」
「!?」
勢いよく振り返ればそこには、思ったよりもすっと近いところで、実に楽しげに笑んでいる――――男とも女ともつかない容貌の若者がいた。 藍色の襤褸(ぼろ)と片方しか履いていない靴が何故か印象的だった。
天覚の記憶が正しければ、こんな人物はこの場にはいなかったはずだ。
しかし、彼―――もしくは彼女―――は天覚の警戒に満ちた視線など気にも留めていないように微笑み続けている。
そして目前に幻浄が立っているのに気付くと、彼は幼児のように邪気の無い笑顔を彼女に向けた。
「はじめまして、幻浄三蔵。そしてお久しぶりです、玄奘殿」
「ああ」
「・・・・・・、・・・・・・はじめまして」
幻浄が僅かに言葉を途切れさせたのは、対応に戸惑ったからだろう。この妙な若者は、友人のような気軽さと天子のような近寄り難さを 同時に湛えていた。
「貴方は」
「藍采和(らんさいわ)と。幻浄三蔵、貴女を連れて行くため参りました」
ぐっと眉根を寄せた幻浄に、采和ははんなりと微笑んだ。
「貴女ほどの御方を人界に置いておくのは勿体無い。――――私と共に、仙界へ参りませんか」
仙界。
その言葉を聞いて周囲は俄かにざわめいた。
仙人になる、とは神になる事にも等しい事柄、それに幻浄が選ばれるとは。
しかし対する幻浄の答えは明確。
「断る」
たった一言で最高の栄誉を切り捨てた彼女に、周囲のざわめきはさらに高まった。
「何故、と訊いても?」
「興味がないからだ」
「貴女が秘める雷を抑える、その術が確実に手に入るのだとしても?」
それを聞いて、幻浄は視線を彷徨わせた。
あの悪夢の再来を、確実に防げるのならば。
(いや)
「それでも私は・・・・・・仙人にはならぬ。貴方がたの時は、私にとっては長すぎる」
その言葉に、采和は目を細めた。先程までの気安い笑顔と打って変わった冷たい顔になる。
「では貴女は、どうしても仙界へ参る気はない。と、そう申すのですね」
「ああ」
「――――――ならば」
采和は口の端を吊り上げ、とても仙人とは思えない酷薄そうな笑みで幻浄に囁いた。
「貴女が死ぬぎりぎりのところまで痛めつけて、逃げられなくなったところを仙界に連れていきましょうか」
幻浄は言い知れぬ恐怖に駆られて飛び退き、目前に立つ仙人の顔をまじまじと眺めた。
その目は、紛う事なき本気の光を宿していた。
こいつはどうあっても自分を仙界へ連れて行くつもりだ。
そう感じ取り、幻浄は目を閉じた。どうやら、他に道はないらしい。
『何故』とは思ったが、何を言っても無駄だろうという気もした。
「おい、てめぇ」
幻浄の諦めを察知したのか、天覚が半ば喧嘩腰で彼女の背に声を投げた。
「まさか、俺にこれ付けたまま仙人になろうなんざ思っちゃいねぇだろうな?」
これ、と緊箍を指して天覚は言う。
「どうせ行くならこれ外してから行け」
「―――――天覚」
「てめぇが死のうが仙人になろうが俺ぁ一向に構やしねぇが、束縛されっぱなしってのは我慢ならねぇんだよ」
「天覚」
幻浄の声に先程まで無かった威圧感を感じ、天覚はびくりと怯んだ。
呼びかけられるだけで怯むなど初めてだった。しかも相手は女であるというのに。
だが、幻浄の声に怯んだのは天覚のみではなさそうだった。その場にいた全員が静まり返って幻浄を見ていた。
「お前が何と言おうと、私は行く」
「っ!」
引きとめようと天覚が腕を伸ばした瞬間、幻浄が振り向いた。
翡翠の瞳と視線を交えた途端雷に打たれたような衝撃が走り、天覚はとっさに身を引いた。
それを確認して幻浄は采和の方に向き直ったが、天覚のほうは身動き一つ取れずにいた。
(・・・・・・何だ、今の・・・・・・)
緊箍を嵌められたことで天覚は「幻浄三蔵の従者」となった。だがしかし、これではまるで精神までも幻浄に逆らえなくなってしまった かのようではないか。
(こいつ、・・・・・・何者だ――――――――?)
戦慄する思いで、天覚は幻浄の姿を見ていた。
そんな彼の葛藤など知る由もない幻浄は、采和から目を逸らさぬままに口を開いた。
「醒清、明律」
突然声をかけられた二人は、驚いたように顔を上げる。
「それに、天覚も。・・・・・・お前らには、迷惑をかける」
静かに幻浄は言った。
醒清はその言葉に微妙な違和感を覚えたが、その正体を悟らぬうちに幻浄の言葉が続く。
「師父」
「・・・・・・行くのか」
「はい」
迷いの無い声で、幻浄はきっぱりと告げた。
「暁悠」
彼女が視線を転じた先には、一頭の白馬。この旅のために玄奘が用意させた馬だった。
手綱を握っていた厩番が、近寄ってくる幻浄を恐れたように顔を上げた。
幻浄は無言で暁悠を撫でる。
そして彼女は深々と息を吸い、―――――軽やかに地を蹴って馬の背に飛び乗った。
驚いて暴れる馬を御しつつ、幻浄は明朗な声で言い放つ。
「私は仙人になどならん」
周囲の誰もが目を丸くして彼女を見た。萎縮した様子もなく彼女は続ける。
「不老不死になどなりたくもない。そんな権利、欲しがっている奴にくれてやる」
「てめ、仙界に行くって言ったじゃねぇか!」
「誰がそんな事を言った。私は『行く』とは言ったが、『仙界に行く』とは一言も言っておらん」
いともあっさりと言ってのけた幻浄に、誰もが言葉を失った。
ふいに醒清は先程の違和感の正体に気付いた。
「あ、・・・・・・・・・未来形?」
口の端を持ち上げて幻浄は笑う。
「そうだ。お前らに迷惑をかけるのは、まだまだこれからだぞ」
そして呆然と見返す醒清をそのままに、今度は采和に向き直る。
「私は人界を往く。無限の時を湛えた仙界でなく、有限の時が支配する、この世界を」
言うだけ言って幻浄は馬首を返し、声を張り上げた。
「三人とも、行くぞ。―――――ついて来い!」
制止する間もなく彼女は馬に鞭を打つ。
慌てて天覚たちも幻浄の後を追って駆け出した。
「あ、コラ待ちやがれ!」
「わわっ、待ってくださいよ!」
「速過ぎやて三蔵!」
後にはただ、彼らが生んだ風ばかり。
言葉もなく彼らの行った先を見ている見送りの者達の陰で、玄奘はこっそりと采和に話しかけた。
「何故、あのようなことを言った?」
それを聞いた時の采和の笑みは、初めの気安い笑顔に戻っていた。
「なに、単なる確認作業ですよ」
「ほう?」
「貴方も知っているでしょう。今、彼女を仙界へ連れて行くことは出来ない、と。しかし彼女は徳が高すぎる。死の直前には間違いなく 仙界からの使いが行きます。――――そして彼女は、死を切望している」
「ああ」
「しかし、あのように言っておけば死のうとはなさらないでしょう。死ぬ寸前に仙界へさらわれるというのなら、死なないでいるのが 最も確実な手段ですから。―――――・・・・・・だから私は、ああやって演技までしてそれを阻止したのです」
ふぅむ、と唸る玄奘に、采和はにっこりと微笑んだ。
「それに、彼女は未だ知らぬのでしょう?貴方が仙人である、という事を」
「・・・・・・よくもまあ、そこまで見通せるものだ」
「なに、ただの勘ですよ」
このばくち打ちめ、と嘆息する玄奘を見て、采和は愉快そうにくすくすと笑った。
「貴方には負けますよ、玄奘殿。彼女を東方へ行かせてはならぬと厳命されている上で、わざわざ行き先にそちらを選ぶとは」
「それが最も良いと判断した上でのことだ」
「追っ手が掛かりますよ」
「天覚たちがおる」
「それでも敵わなかったら?」
「そのようなことは滅多にないだろうよ。もしあったとしても、最強は幻浄だ。あの者たちは死なぬよ」
「・・・・・・大した自信ですね」
呆れたように采和は首を竦めた。
「正直に『彼女がどこまで行けるのか期待しているのだ』と仰ればよろしいのに」
「当たり前だ」
きっぱりと玄奘は肯定する。
「あやつは、わしの教えを最も良く理解しとるくせに、最もわしからかけ離れておる。これほど成長が気になる者も、そうはおるまい」
「貴方から『最もかけ離れている』?」
采和はくすりと笑い、からかうような口調で言った。
「そうでしょうか?――――――私の目から見れば、お二方はよく似ておられますが」
驚きの目で見返す玄奘を尻目に、采和は幻浄たちが駆け去った方に視線を転じ、すいと目を細めた。
「さて。どうなるんでしょうねえ、彼らは・・・・・・・・・」







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