霧島家、深紅の部屋にて。
「あか兄、とりっくおあとりーとっ!」 「おー。いたずらは困るなあ、これで勘弁な」 「わーい、ありがとー!」 「そのかぼちゃ、すげえなあ。自分で作ったのか?」 「うん!」 「重くねえのか」 「いっぱい中けずって軽くしたんだー。かぶっちゃえば平気だよ!」 「へえ、そうかー。・・・・・・あー、死神の後だとすっげー和むわー・・・・・・(ぽん)」 「?(頭撫でられ)死神って、月ねーちゃんのこと?」 「まーな。あいつ俺んとこにあった菓子、ごっそり持っていきやがんの。もらいもんだったからいいんだけどよ・・・・・・」 「また女のひとからもらったのー?」 「ああ?うん、まあ、いや・・・・・・他の奴らには内緒な?(にっこり)」 「なんでー?」 「うっ」 「ひみつにしなきゃいけないこと?」 「あー・・・・・・大人の事情ってやつかな」 「ふーん。大人になるといっぱいお菓子もらえるってこと?」 「まあ、やり方次第ではな」 「へー。じゃあ、あか兄ってすごいんだね!」 「まあな(にやり)」 「僕もあか兄みたいになる!」 「それは駄目だ!」 「えー?」 「もしそうなったら俺の命が危な・・・・・・いや。俺は他の奴に怒られちまうだろうからな、お前はそのままでいてくれ。うん。菓子くらいなら俺がやるから」 「わかったー。じゃあ僕、おとーさんみたいになるよ」 「うっ、それはそれで・・・・・・ああでも俺みてえになるよりは・・・・・・ううーん」 「僕がおとーさんみたいになると何か困るの?」 「困るっていうかなあ・・・・・・ほら、誰にでもいい所と悪い所ってもんがあるだろ?だから、悪い所まで見習うなよ」 「はーい」 「駄目だと思ったら注意するんだぞ?親父だってお前の言うことなら聞くだろうからな」 「うん!」 「おーい、メーシーだーぞー(台所から)」 「お。ほれ、早く行ってきな」 「あか兄は?」 「もう少ししたらな。慶陽にそう言っといてくれ」 「うん、じゃあ先に行ってるねー!」 「おー。・・・・・・(ため息)純粋すぎってのも困りもん、か」 小噺3『弟の将来に危険を感じたハロウィン』 END. up date 07.10.19 |
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